福州訪問(2004年)

福州は時間の流れがゆったりとしており,又気候が台湾に似ていて,ガジュマル(蘚峯)が美事なところでした。それは村の鎮守のナラ・ブナのように泰座して動ぜずの感があり,ひとを包み込む気が満ちていますね。近代的なビルと昔の風情が混じる街。上海から深せん→ 広州から.福州に入り,次に合肥(安徽)に行く予定でした。最後は北京。中国茶の茶館を訪ねるつもりでした。空港は新しく整備されていましたが,ひとの往来は少ないようでした(夏でした)。
長楽国際空港から中心部までは,かなり離れています。私はバスで街中のターミナルまで行き,そこからタクシーでホテルまでいきました。節約の為。空港近くは日本企業等が進出している開発区があり,道路建物は整備されているが,開発区のはどこも味気ない単風景だ。途中河だか海だかわからない大きな橋を渡りました。下に船が行き交う。そこから山間部に入って山道を行く感じ。一時間有余,やがて 福州の街に。ホテルは西湖公園にある「西湖大酒店」で,東京の友人曰く“スバラシイ,景色バッグン” と云うのと,旅行雑誌に依れば<中国十大名ホテルに選ばれた>とのことで,たまには こんなホテルもいいかナァーと云うことで決めたのだが。一番は,北京の友人に予約してもらったので,630元,日本での予約より3割方安い,リーズナブル。実に大公園の中にホテルこれアリ の感。湖を中心にした大公園は,休日は地元の人も多い。夜は風情があり亜熱帯の宵を満喫できる。甘い風が吹く。ホテルで一度食事したが,日本輸入?の車えびの生き造りがあったので,試しに注文。たしか 二百数十元?。酔っていたので,正確な値段は不明。ああこれは安いなぁと感じた。ぷりぷりした味は期待を裏切らないもの。 朝食は例のバイキングスタイルだが,品々の豊富さと質の 高さ、サービスは,なるほど十大名ホテルの名に恥じない。部屋も広く快適だった,眺めが最高。
茶館は中心部に一二軒あったが,趣のない店。ホテルで訊いて,お茶の問屋街へ。たしかに何軒もの茶問屋が並ぶ通りがあったが,とりわけての感も無し。福建省はお茶の本場じゃないの?茶葉の輸出量は全国一二であるのだが。別の時期,アモイにも行ったが,大した茶館は無い。 西湖公園内にも伝統的造作の茶館があったが,かなり高い。市内に古風な茶館だらけの一角があるのかと期待していたが。そこでは,例の作法で中国茶の振舞いがあり,さまざまな様式の店があるのかと愉しみにしていたのだ。茶館は大消費地大対外観光地北京上海杭州が本場なのかもしれない。
北京では住宅街の茶館だが,ひとり200元〜300元も取る。誰がここに来るの?と尋ねると,近くに住む人が私的な会話をしに友人等とまた接待で呑んだ後酔い覚ましに連れ添って来ると云う。接待費で落ちるらしいが,ひとり200元〜300元とはねぇ。
合肥(安徽)も茶館はほんんど無い。むしろ若者向けコーヒー紅茶のいい感じの喫茶レストランがあった。紅茶にさまざまなフルーツを入れたのは香りが匂いたち美味でした。はやっていて,若者は茶館よりこちらがお好きな様子。
わずかな滞在なので,一印象の感もあるが,福州は都会であり,また暮らすにはいい街のようだ。ガジュマル(蘚峯)の樹は,人を落ち着かせる匂いがある。福州はこの樹がいたるところにある。
(長野のYさんから2004年にメルマガに投稿いただいたものです)