2002年9月9日玉龍雪山の懐へ(さらにつづき)

玉峰寺へと続く一本道の袂にはトンパの祭祀を見せる"東巴神園"と渓流の景観を楽しむ"玉水寨"といった観光スポットが隣り合っています。お寺へは車でも直接行けそうですが、和さんはなぜかここで車を停め、ここからは徒歩で行くことに…、お寺に対する尊敬なのでしょうか。本来なら田園風景を眺めながらのんびりてくてくというところ、この頃にはもう疲労の極で歩みもとぼとぼ…、我ながら情けない気分です。15分ほど歩くと道の両側にみやげものの露店がずらり。山門で参観券(10元)を買うと、さっそく案内係のお坊さん…ではなくお嬢さんが出てきて、ここは聖なる場所なので帽子をとるように言われます。山門も本堂も思いのほかこじんまりしたお寺ですが、屋根の上には金色の法輪と一対の鹿の飾り、本堂入口両脇にはマニ車が設けられ、チベット仏教の特徴を具えています。もともとの建物は文化大革命で破壊されてしまい、いまあるのはその後再建されたもの、時代を経ているような雰囲気があるので言われないとわからないかもしれませんが、係の人が熱心に説明してくれた六道輪廻図は印刷されたものでした。このお寺には"山茶之王"と呼ばれる有名な椿の木があるのですが、花の時期でもないし、見に行く気力もなく、またとぼとぼと車まで歩いて、やっとの思いで帰路につきました。宿についたとたんベッドにばったり。風邪が悪化しているようで起き上がる気にもなれず、しばらく休んでいました。明日の中甸(香格里拉)行きを一日延期しようか、などと考えながら、とりあえず夕食はちゃんととろうと思い、"古城"へ出かけました。
古城のメインストリートで薬局を見つけ、風邪の即効薬"泰諾"(12錠/箱12元)を、雑貨屋では鼻紙用にトイレットペーパーを購入。ついで食堂街のナシ族家庭料理の店に入り、「"いちばん栄養豊富なスープ"とご飯をください」と注文。出てきたのは、ブタ脂身コマ肉とニラをたっぷり入れたスープ。その汁分とご飯一杯でやや体力が回復、さきほど買った風邪薬も忘れずに飲んでおかなくては。これで明日は予定通り中甸に向かえそうです。