9月10日(火) 香格里拉―迪慶チベット族自治州へ

バスはいったん市の南へ出てから北へと向かいます。朝早ければ玉龍雪山も望める見通しのきく道―これが"dian藏公路"、遥かチベットのラサまで続くかつての"茶馬古道"です。途中給油のためガソリンスタンドへ。近代的な設備に見とれていると、「ワッ!」という叫び声、驚いて前方を見ると運転席との境にあるブリキの箱とそこに差しこまれた給油用ホースの間からトクトクと液体が…、このブリキの箱、実はガソリンタンク!おまけにそのまま思いっきりホースを抜いたからたまりません。口から勢いよく溢れ出たガソリンは前の二人のジャンパーからジーパンはおろか、あたりの床一面に"油溜り"をつくってしまいました。が、運転手をはじめ周囲はまったくそれに動じる様子もなし、それどころかガソリン漂う床を前にタバコをふかす輩までいる始末。あとでもう一度給油に寄った時も全く同じありさまでした。この時ばかりは前の二人もさすがに席を換えましたが、きっと毎日こんな調子なのでしょう。
これまで左手に流れていた金沙江が右手に折れると長江の渓谷"虎跳峡"への入り口"橋頭"です。ここで約30分休憩の後、路面工事でいっそう狭くなった渓流沿いの道をひたすら北上します。いつのまにか眠ってしまったらしく、気がついたときは両側にぽつぽつとお店らしきものが現われ、どうやらどこかの町外れといった感じです。そのうち
両側の建物が赤、青、黄色といった派手な彩色に変わると道幅も広がり、ホテルらしい立派な建物が目立つようになりました。
"香格里拉"の中心、交通飯店脇のターミナルに到着したのは午後2時半をまわった頃。
四日ないし五日間滞在するので、宿は一応の設備を備えたところを選択。歩いて数分のところにある迪慶賓館にチェックインしました。三ツ星ホテルですが、本館の裏に二ツ星クラスの別棟があります。本館のスタンダードツインは360元、わたしが泊まった別棟は朝食つきで200元、もちろんバスタブも付いて一応の設備は整っています。旅行社を通せば170〜180元くらいにはなったかもしれません。
(2002年掲載)
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