9月13日(金)〜14日(土) 梅里雪山の懐へ―徳欽一泊小旅行

黄昏の空にかかった三日月が白く冴えはじめる頃、
ようやく今晩の宿泊地である観景台に到着しました。時計を見ればすでに午後8時、
明永からここまで一時間半近くかかったことになります。

宿はその名も"望峰楼"、地元のチベット族の一家が経営する民宿で、看板には 一応
"トイレ、シャワー内設"とあります。
まずは二階にあるお部屋を見せてもらうことにしました。
木造の階段を上がると梅里雪山を望む大きな窓が開いた廊下に面して扉が三つ、
そのうちの一つに入るとまずベッドが三つ並び、さらにその奥にも独立した部屋があって、
そこにはそれぞれシングルとセミダブルサイズのベッドがありました。
つまり扉一つで二部屋連続した間取りが三つ、合計15ベッドあるわけです。
1ベッドにつき一泊15元。徳欽の一般ホテルに比べると約十分の一の値段ですが、
トイレもシャワーも各部屋にあるわけではなく、一階に"内接"されて共用。
幸い水は汲み置きではなく外に水道が引かれ、
隣接する"撮影之家"という民宿と共用になっています。

中国で、しかも好漢三人とこういう民宿に泊まることになろうとは予想外のできごと、
でもそこは"入郷随俗"、順応に勝る良策なしです。
結局、「安全のため」ということで、タシさん、陳さん、趙さんが手前の部屋に、
わたしが奥の独立した部屋を独占することになりました。
もっとも部屋の鍵は内側からしかかからず、出たら開けっ放しになってしまう点が
いささか無用心。
そこで貴重品は最初のうち携行していたのですが、用事で部屋に戻るたびに
鍵がかかっています。実は、鍵束をたすき掛けしたここのおかみさん、
お客が出入りする度にしっかりチェックしていたのでした。


(2003年のメルマガで掲載)
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