隣人 編

私は、普通の中国人が住むマンションに住んでいるということは以前も書いた。
そして、そこに住むことが違法だということも書いたと思う。
だから、住民が公安に密告してしまうような場所だと、とても困るので、
お隣さんとのお付き合いには、とても気を使う。

私の住むフロアは5世帯が住んでおり、階段とエレベーターを上った右側に
私とお隣さん、左側に3世帯あるが、こちらの世帯の住民とは
顔をあわせたことがない。

すぐ隣の家の家族構成は、20代らしい息子が一人とその両親、
70代のおばあちゃんと猫が2匹の4人と2匹暮らしでいる。

以前、中国では犬を飼うには税金がかかると話したと思うが、
猫は無税だという。
ネズミを取らせるために、猫は無税という話だが、マンションでネズミなど
一度も見たことがないから、都市部ではネズミ取りのため、というのは
口実になっているように思う。

中国の都市部の一般家庭のペットとして一番ポピュラーなのは鳥、
猫、犬の順ではないかと思う。(私が見る限り、ではあるが)
鳥かごを下げて公園を散歩したり、茶館で鳥かごを持ち寄って
お茶を飲んだり(鳴き声を競わせるのだ)人も多く、
居住スペースも関係していると思うが、中国人はかなりの鳥好きである。

鳥といえば、以前、市場で生きた孔雀が売られていた。
まさか食用?と恐る恐る中国人の友人に聞いてみたら、
「あの鳥は食べるところが少なくて、あまりおいしくない」という。
ふぅ〜む、やっぱり食べるらしい。
日本人は食べないの?と聞くので、日本では動物園にいるよ、
と答えると、中国の動物園にもいる、と言っていた。
その辺りの感覚はどうも理解できない。

その市場では犬も猫も、鳩も孔雀もウサギも生きたまま売られており、
豚の頭部が店先に吊り下げられていたり、と、慣れない内は
(慣れてもやっぱり怖い)心臓がバクバクする場所である。
野菜市場や雑貨市場は中国っぽいし、活気があって楽しいが、
通りを間違えて犬猫エリアへ入ってしまったりすると、
「保健所で死を待つペットたち」といったドキュメンタリー番組を見た
時のような、とっても悲しい気分になる。
中国でも、犬や猫をペットとして飼う人は増えてきているが、
市場では食材として、生きたまま売られているのだ。
ちなみに平和の象徴である白い鳩も、かごにぎっしりと詰められて
道端などで売られている。
                      (つづく)
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