ラサ市内と郊外観光(8/16)

途中、小さな集落をいくつか抜ける。
車が通ると、子供達が飛び出してきて手を振る。

何もない道端にしゃがんでいる子供達。
何をしているのかと思えば、山の斜面にはたくさんのヤクや山羊が。
放牧中だったのだ。
まだ、10才前後だろうか。
更に小さい子を引き連れ、子守も同時にこなしている子もいる。
この子達に、果たして戸籍はあるのか？
労働力として産まれてきたこの子達が、幸せに暮らせる事を祈りつつ、
バスは時速100kmでかっとんでいく。

自転車に乗ったおじさん。
この道、後にも先にもしばらく村はない。
炎天下の中、のんびりと自転車をこいで行く彼は、いったいどこから
来て、どこへ行くのか。

道は悪くなる一方。とうとう、舗装もされていない砂ぼこりだらけ
の山道をバスは登り始めた。
やっと擦れ違いができる程の道である。左は山、右は断崖絶壁。
谷底である。
（ここで事故ったら、死ぬな。）
こんな悪路にもかかわらず、大型バスやトラックがひっきりなしに
来るので不思議に思っていたら、なんとまだ道は整備中。
大きくカーブする道幅を広げ、崖側を補強している最中である。
こんな何もない山奥の、高度4,000m地帯の工事現場で寝泊まりしな
がら働いている人達の気持ちって、どんななんだろう・・・。
そんな事まで考えてしまう。
重機も満足に運びこめないから、基本的に手作業である。
気が遠くなりそうだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）
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