青海省編

西寧市

 さて、西寧に着いて早々に我々が向かったのは、東関清真大寺である。
東関清真大寺は街の東の方に位置し、その周囲は回族やサラール族が多
く居住するイスラム街となっている。清真大寺の周りでは礼拝の時に使
う敷物やポット、コーラン、白帽などが売られ賑やかだ。
街の西側に比べると白い帽子の男性、黒いベールの女性の割合がずっと
高い。
開斎節・クルパン節には近郊に住む回教徒が礼拝のために集まり、寺院
内に収まりきらない人々が寺院前の東関大街にまで溢れて、いっせいに
礼拝するそうだ。その数は10万人を越すとか…。
運良く金曜日に西寧に滞在することになれば、10万人とまではいかなく
とも、相当数の白い帽子を被った男達が礼拝に集まるのを見ることがで
きるだろう。

 西寧市内には他に、土楼山北禅寺・虎台遺址、青海省博物館などの見
所がある。どれも往復と参観あわせて2?3時間もあれば十分だ。

 西寧には「楽しく美味しい」通りが何本もある。水井巷・莫家街(馬
忠美食街)などが有名だ。
前者は、衣類や雑貨店と小吃店が並ぶ西寧でもっとも賑やかな場所だ。
後者は、市場とレストラン・小吃店が集まっている。
また、大新街には夜になると地元風味から海鮮までさまざまな屋台が立
つ。
上記のような通りに行かなくても、街のいたるところに小吃店や冷飲屋
台がある。朝食後にはお碗売りのヨーグルト、お昼は軽めに麺類(炒麺
片、清湯麺片、羊腸麺など)、午後小腹が減ったら醸皮などなど、何時
でも何処でも美味しいものが食べられる。
 炒麺片は、地元では「がぁ[乃の下に小]麺片」とも言われ、1センチ
四方ぐらいの小さな薄い麺と野菜をいっしょに炒めた(と言っても、日
本人的には煮込んだと言った方が正しい)割とあっさりした味の麺食だ。
ちなみに、中国語では、「麺」というのは小麦製品の総称。
中国には、日本人がイメージする細長い麺「麺条」以外にも、「麺片」
のように四角い紙片のような形のものもある。
ちなみに、パンは「麺包」、小麦粉は「麺粉」という。
日本でも最近有名な(?)山西名物「刀削麺」は、捏ねた小麦粉を刀で
削ったものだ。
 醸皮は、かなり太目のトコロテンのような生地にトウガラシ味の辛い
たれをかけて食べる冷たい食べ物だ。
中国のほかの地域でよく見かける涼皮に近い食べ物だが、涼皮と比べる
と「かなりパンチの効いた味」と言うべきだろうか…。
炒麺片とともに西寧でいちばんメジャーな庶民の味ではないだろうか。
 また、名物料理で逃せないのは「手抓羊肉」だろう。
青海省の羊は、草と水が良いので中国で一番美味しいと言われている。
専門店ではメニューに「手抓羊肉」の名がない。
肉の部位によって「手抓〇〇」と呼び名が違うのだ。
さすが本場である。
服務員さんの話では、もっとも基本で美味しいのが「手抓白条(たぶん
リブ?)」だそうだ。羊臭さが全くないのに羊の旨みがあり、白い脂身
の部分でもあっさりしていて、ほんのり甘みがある。
羊を食べつけない人でも美味しくいただけるはずだ。

 たかだか数日間の滞在にもかかわらず、すっかり西寧の街が気に入っ
てしまった我々であるが、しばらく青海湖方面に向かって遠出すること
にした。
もちろん、青海湖を見るためである。
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