2002年9月8日 ナシ族の街−麗江古城(2日目の続き)

すでに3時すぎ、木府の門脇にある王府客桟の食堂で遅い昼食をとりました。ここでようやく麗江名物"バーバ"(漢字では"米巴"を重ねる)と"雑鍋湯"というスープにありつきました。"バーバ"はナシ族の主食、甘いのと塩味の二種あり、油っこいですがサクッとした口当たりが特徴、卵をいれないパイ風お好み焼きといった感じ。"雑鍋湯"にはブタの脂身細切れ肉、絹サヤ、にんじん、サトイモ、大根などの野菜とゆばをいっしょに煮込んだものでスープ自体は透明でダシがきいてとっても美味しかったです。再び古城内を歩きながら、ふと気付いたことがありました。古城内ではだいたい同じ種類のお店がかたまっているようなのです。さきほどの銀細工もそうですが、有名な特産品藍染もまた一本の通りに集中しています。食堂街もその例にもれず、メインストリートから東へ一本入ると両側にずらりと並び、夕食は二日間ともそこでとりました。忘れてならないのが、街を南北に貫く疎水の存在。石畳の古城を潤すこの水は玉龍雪山の雪解け水と市の北にある池−"黒龍潭"からの流れが合流したものです。そこで、トンパ博物館のある黒龍潭まで行ってみることにしました。古城から歩くと1キロちょっとですが、大水車の前からタクシーを拾います。白いベールで頭を覆った50代くらいの回族女性の運転で、コーランを刻んだ金属製のお守りが下がっていました。トンパ博物館(入館料5元)で見るべきものといったら、昔の記録写真くらいでしょうか、約三分の一のスペースがどこにでもあるような工芸品売り場になっていて、いささかがっかりしました。博物館の向かいに黒龍潭のある"玉泉公園"(入園料20元)の入口があります。水辺には楊柳が植えられ、楼閣や亭が水面に映ってなかなかの景色です。疎水の水も綺麗でしたが、ここの水も透明度が高く、また珍しいことにゴミ一つ浮いていませんでした。そういえば古城でも紙くずひとつ見あたらなかったのですが、中国の観光地ではこれはほとんど奇跡に近いことです。世界遺産としての気概でしょうか、はじめて訪れた麗江古城は山あり水あり、人も動物たちも気候風土も穏やかでやさしいという好印象を受けました。黒龍潭からの帰路、たまたま乗ったタクシーの運転手さん(またしても女性)に、玉龍雪山方面なら100元で行く、と持ちかけられ、明日は彼女の車で玉龍雪山を間近に望むところまで行くことにしました。(3日目につづく)

(2010/08/20追記)珠玲さんの雲南旅行記を連載中ですが,私も95年ごろ3回ほど麗江(などへ)旅行に行ったことがあります。そのころは大地震の爪痕がまだ残っていました。いまはすっかりメジャーな観光地となっています。トンパ文字も一時ちょっとしたブームになりました。私がトンパ博物館に行ったときはとても質素な博物館で、トンパ文字の博士(だいぶご高齢でした)が迎えていろいろと説明してくれました。また、珠玲さんも書かれていますが,四方街は以前からとても清潔にしていて,私自身,漢民族の観光地に慣れてたこともあり,びっくりしたのを覚えています。
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