自貢編その3

 恐竜博物館を出て3路のバスに乗るため、先ほど来た道を戻る。
今度は登りなので少し遠く感じる。バスに乗っている時から気になっていたのだ
が、この通りの飯屋のどこを見ても「河れん(魚+連)魚」の文字が見える。
ナマズの絵が描いてあったので、自貢はナマズ料理が名物なのだろうか。
さすがに昼食にはしなかったが…。

バスの車掌にしん海井で降りる旨を伝え、バスに揺られること約10分。
車掌に促されてバスを降りると、「しん海井」と書いた石板の付いた門がある。
1835年に1001.42mの深さまで掘られた井戸で当時は世界一の深さだ
ったそうだ。
今は博物館として公開されているかたわら、清代と同じ方法で塩の生産もして
いる。8元の入場料を払って中に入る。まずは、井戸から塩分を含む水を汲み
上げるための大車などの施設を見学する。
塩業博物館で見た模型と同じ格好だが、なるほど実物は大きい。
往時の大車を偲ばせるのは、大車の周りに敷かれた石の床が(牛が牽いたのだ
ろうが)円くツルツルに擦り減っている点だ。

隣の建物の二階に上がると、そこは塩の精製工場だった。今でも昔ながらの方法
で精製していて、蒸気の立ち上る工場内には3人の男性が働いている。浅い大釜
で井戸から掘り出した濃い食塩水を煮立てる。6個の大鍋がある。ゴムでできた
円筒に十分に水分を蒸発させた塩を入れ数時間おき、固まったところでゴムの枠
を外す。みごとに円筒形に固まった塩は、紐をかけて二人で運んでいく。運ばれ
た先には女性がやはり3人居り、塩を金槌で砕く人・秤で計って袋詰する人など、
分業化されている。
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