番外編 オヤジ魯国を行く

(孟林)

孟子の墓・孟林は正確な位置が把握できなかったので、
三輪バイクタクシーを利用した。
意外にも孟林を知らない三輪バイクタクシーの運転手が多く、
知っている運転手を探すのに苦労した。
「四基山の麓にある」と言えばピンとくる運転手もいたかもしれない。
公共交通機関利用の場合は、鄒城から尼山へ行くバスの途中下車でいけるはずだ。
ただ実際に乗っていないので確認していないし、1日何本あるのか、
最終バスは何時頃孟林の近くを通るのか等も調べていない。
孟林の参道は、畑の中の未舗装のでこぼこ道に柏の老木が並び、
おごそかというよりは何か親しみやすさを感じる、そんな不思議な雰囲気を
もっている。参道が山道へと変わる所に小さな古い石橋がある。
保存状態は悪いがそれが滑稽でもある。
また、田舎の子供たちの遊び場と化していることにも、より親しみやすさを感じた。
この辺りから四基山を見上げられる。
なだらかな岩山であるこの山は、四段重ねに見えるので、そう呼ばれるそうだ。
子供たちの先導で孟子の墓に到着。
こんもりした墓の前に、現在建っている墓碑は、近年再建されたものだ。
そのすぐ横に打ち砕かれた石碑が積まれているが、それがオリジナル。
文化大革命時に壊されたそうだ。
もともと宋代にここで孟子の墓が見つかり、廟を建ててまつったのが孟廟の始まりだ。
ただ県城から遠く不便なので、100年も経たないうちに孟廟は現在の場所に
移設された。
孟廟・孟府から少し遠いし、特筆すべき物もないが、「あぁ来てよかった」と
思える不思議な場所である。

(つづく)

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